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コラム

2007年05月10日

メディアを横断できる映像制作システムへ

映像制作局 編集部 エディター 磯部 信之(いそべ のぶゆき)

クロスコ六本木編集センターでは、この6月に最新鋭のHDノンリニア編集システムAutodesk® Smoke®を導入することになりました。テレビ番組をはじめとする映像制作の現場では現在大幅な世代交代が進行していますが、その概要と新システムの可能性について簡単にご説明します。

【放送機器は世代交代中】

2011年の地上アナログ放送の終了まで、あと4年。
家庭では地上デジタル放送に対応したテレビへの買い替えが進んでいます。
地上デジタル放送の受信は、一部の地域を除く全国各地で受信が可能となり、平成18年3月の総務省情報通信政策局の調べでは、対応受信機の累計出荷台数は約988万台と発表されており、出荷ペースを考慮すると現在1500万台近くに達していると考えられています。

放送フォーマットも従来の4:3の画角のSDTV(Standard Definition television)と呼ばれるものから16:9の画角であるHDTV(High Definition television=ハイビジョン)に移行することもご存知ですよね。

現在は移行期間であるため、ハイビジョンで撮影したものも地上アナログ放送(4:3画角)でも視聴できるように上下が黒い状態(Letter Box)だったり、左右を切り落としたり(Edge Crop)して放送することもあります。
制作サイドでは左右が切り落とされても良いように撮影・編集時に注意する必要があるのが現状です。
ちなみに最近のドラマではハイビジョンで撮影し、上下を黒くする方式で地上アナログ放送に対応していますが、単純に横幅を4:3画角に合わせると黒い部分がかなり大きくなってしまう。
その対応策として13:9画角や14:9画角で黒い部分を狭くする方式が取られています。
ドラマを見ていてちょっとだけ上下に黒い部分が見られるのは、こんな事情があるんですね。

しかし最終的に地上アナログ放送が終了すれば、全ての放送がハイビジョン(16:9画角)になり文字のレイアウトや撮影時のアングル等、余計な苦労がなくなる予定です。
制作サイドとしては、地上アナログ放送の終了が待ち遠しいのですがこれに伴って、撮影・編集もすべてハイビジョンで作業する必要が生まれ撮影機材や編集機材等のハイビジョン化が数年前から進んでいます。


【ビデオ編集システムはノンリニア化が進行】

映像編集には大きく分けてリニア編集とノンリニア編集の2種類が存在し、大雑把に言うとVTRからVTRへ「ダビングしながら編集」するのがリニア編集。コンピュータにビデオ映像を取り込み、取り込んだ映像を編集する方法がノンリニア編集と呼ばれています。

ポストプロダクション(映像編集)業界でのリニア編集機とノンリニア編集機の比率をみると、2004年度調査では50:50だったのが2005年12月の調査では44:56となり、ノンリニア化の傾向が現れています。
この理由には経済的要因もあり、ハイビジョン対応リニア編集室を設立するよりもノンリニア編集機を導入した方がコスト的にも抑えられるのです。

さらにPCベースのノンリニア編集システムが個人や業務用として用いられるようになった事も普及の背景にあるのではないでしょうか。
特にApple® Final Cut Pro®を用いた編集が急速に増え、撮影から編集、web制作やDVD制作まで個人で行えるようになっています。Adobe®でもPhotoshop®やAfter Effects®との互換があるPremiere®というノンリニア編集ソフトを出していますが現在はApple® Final Cut Pro®の勢いに押されている印象です。


【クロスコではSmoke最新バージョンを導入します!】

弊社でも、Apple® Final Cut Pro®のみならずハイビジョン対応の編集室を2部屋備えており、リニア編集とノンリニア編集がご利用頂けます。

加えてノンリニア編集機をAutodesk® Smoke®の最新バージョンに機種変更し、作業効率の更なる向上を行います(2007年6月稼動開始)。

これによって多様なエフェクト、優れた処理速度だけでなくAutodesk® Cleaner® XLと連動し、Windows Media、QuickTime、MPEG、RealVideoなど様々なフォーマットへのエンコードが可能になりました。

さらに、上記Apple® Final Cut Pro® のXMLファイルを読み込むことも可能になり、web用のリッチコンテンツ制作やDVD制作の作業効率を劇的に向上させています。

放送素材からweb素材まで、複数のフォーマットへの出力が可能になりメディアやフォーマットを縦横無尽にクロス(組み合わせ、横断し、コーディネイト)できる機能はまさにクロスコに不可欠な編集機とも言えるでしょう。